新年会の時に、そろそろ忘年会のことを考えていた方がいい、などと言っていましたが、みんな笑ってたけどさ、ほら、本当に、あっという間に年末になっちゃったでしょ。時間が経つのが、どんどん早く感じられるお年頃の僕です。
さて、すっかり大人になった僕ですが、よくよく考えてみると、ざっくり人生の半分の年数、ここでこのような駄文を書かせていただいている、ということになるワケです。
年を重ねると、趣味嗜好、感覚に変化が出てきますね。食べ物なんかが特にそうです。
揚げ物なんかをあまり食べたいと思わなくなった、とか、大トロより赤身の方がマグロの味がしていい、とか。
逆に、子どもの頃は食べられなかったけど、オトナになって大好きになったモノがあったり、子どもの頃から食べてたけど、その味の深さを解るようになってきた、とかね。
僕のハナシで恐縮ですが、僕は、お漬物、マヨネーズ、チーズ、レバー、梅干などが大嫌いでした。それが、気が付いたら、大好き!な連中になっていました。特にレバーに関しては、大嫌だったのに、もう、ダ・イ・スキ!になった瞬間のシチュエーションを事細かに憶えているといった衝撃的な出来事だったし。
何となく子どもの頃からぼーっと食べていたけどオトナになって味わいが深まってくる、というモノもありますね。それは、お蕎麦とお豆腐(あくまで僕のバアイです)。お蕎麦って、語りだすとやたらとウンチク話が飛び出しますが、僕はそのウンチク話しが大嫌いなので、ハナシは簡単、あの蕎麦屋さんは美味しい、そして自宅でも頻繁にお蕎麦を食べるので乾麺を使いますが、このメーカーは、ちょっとだけ高いけど蕎麦の香りがするなどとぶつぶつ言いながらまとめ買い、とかいうレベル。
あと、僕にとって中途半端な位置にいる食材なんかもありますね。芋類とかぼちゃがそれに当たります。食べられないワケじゃないけど進んで食べようとは思わない。さつまいもはなんかキライ、じゃがバタ?何それ?、でも肉じゃがと里芋の衣被は大好き、あ、僕カレーにジャガイモは入ってなくても全然オッケー、といったよく解らないカテゴリー。なんとなくボーっと書き進めていますが、食べ物への嗜好の変化って、やっぱり生活習慣の変化と連動しているような気がします。親元でずっと食事を作ってもらうというヒトと独り暮らしをして自分で食事を作る、というライフスタイルの違いは食べることに対する変化の仕方が違う気がするし。それと、やっぱりお酒が好きかどうかも、とても関係するなぁ、きっと。
あと、子どもの頃には無かった食材にビックリしたり。学生の頃だったかなぁ「キウイ」、「グレープフルーツ」でカルチャーショックを受けて、すっかりオトナになった僕の前に現れたのは、ゴーヤとパクチーという、超アウエーなくせに、すんなり、しかも好感をもって受け入れられた嫌味な奴ら。ゴーヤに関しては「あの苦みがカラダにいい」という絶対的な免罪符があって、ゴーヤ嫌い、と言うと不健康なヤツという視線が飛んでくるような。あんな苦いもん金払ってまで食いたくないわい!僕的には大嫌い。パクチー?はぁ?なんじゃそのネーミングは。ピクチーでもプクチーでもペクチーでもポクチーも何でもいいけどさ、パクチー苦手、と言うと、エスニック料理が解らないダサいやつという視線が。誰が食うかい、あんなクサいクサ!食べず嫌いじゃないぞ!君たちの事を理解してスキになろうとして頑張って食べてみたんだよ何回も。でもダメだったさ。好きになれない。
とまぁ、年末号なのに、またまたくだらないことでごめんなさい。今年は災害がありすぎて、僕の友人たちも被災者になったりして、振り返るとシリアスになりそうで。ま、いつものバカバカしいハナシってことで。今年も読んでくださってありがとうございました。
来年もよろしくです。あ、食べ物の嗜好の変化のハナシ、もう少し書きたいな。
皆さん、ご無事な、よいお年を。
エッセイスト 北園 修
Photo:藤間 久子『Slowly』