平成30年11月1日秋晴れのもと、西5みらい支部は金沢文庫歴史散策と題した見学研修会を実施しました。
金沢八景という言葉があるように、当地は古来よりその景勝で有名な別荘地でもありました。参加者はまず野島公園に集合し、横浜市指定有形文化財である、初代総理大臣・伊藤博文の金沢別邸を訪れました。
海の見える客間で抹茶をいただきながら、日本近代の歴史に耳を傾けました。質素でありながら品格を備えた建物を見学し、牡丹園と名付けられた庭園を散策しました。その後伊藤博文邸を離れ、シーサイドラインで称名寺へと向かいました。
称名寺は13世紀中頃に北条実時の開いた七堂伽藍を完備した大寺院で、北条一門の菩提寺でした。有名な反橋は残念ながら改修工事中で渡ることはできませんでしたが、全盛期の面影を残す仁王門や浄土庭園は本当に美しく、当地が鎌倉文化圏の北端に位置していることを実感しました。隣接する金沢文庫は現存する最古の武家文庫であり、北条氏歴代の蓄積した国宝・文化財を今に伝えます。学芸員の方の解説を聞きながら展示物を見学しました。北条氏没落の後、長い年月を辛うじて生き残ってきた当文庫からは、折々の歴史の登場人物により数多くの財物が外部へ持ち出されてしまったそうです。
見学が終了したのちは、称名寺仁王門横の日本料理店で懐石料理を堪能しました。平日の午後を忙中閑ありと、ひと時のゆっくりとした時間を楽しみました。お店の方によると、2時間で四升の日本酒が空になったとのことでした。
我が街横浜といえば開港以後が注目されますが、遠く鎌倉時代から先人の暮らしが連綿と続いていることを感じた有意義な1日になりました。
西5みらい支部 藤澤光男