2019.08.01

チーム全員でチームを動かす事をワークする

  • プレイングマネジャーとは
  • 能力がないのではなく、経験した事がないだけ
  • お手本は小学校のクラス運営
  • チームでチームを動かす事をワークする
  • 動かす技術を身につける
  • チームの共通語をつくる目的・目標の共有化

 

プレイングマネジャーとは

マネジメントを専任でやる人をマネジャーといい大企業にみられるケースです。それに対し、プレイングマネジャーとは、自分で現場の仕事の担当を持ちながら、マネジメントもこなす役割で、中小企業にみられるケースです。

 

サッカーで例えるとグラウンドでボールを蹴りながら選手交代等の作戦展開を考える人ですが、現実的にサッカーの世界には誰もプレイングマネジャーはいません。もし、あなたがサッカーチームのプレイングマネジャーとしてピッチに立って、息をゼイゼイさせながら走り、選手交代・作戦展開を考えられますか?それだけ両立させる事が難しい役割です。

 

能力がないのではなく、経験した事がないだけ

あなたは組織を運営する際に必要なリーダーシップやマネジメントを義務教育の中で、学校の先生に教えてもらいましたか?答えはNOのはずです。

 

日本の義務教育カリキュラムにはないからです。ないから、社会に出て、その立場になり、ぶっつけ本番で初めてリーダーを経験するわけです。大手企業は役職の昇格に伴い、様々な研修を受けて、準備に備えます。しかし、中小企業にそんな余裕はありません。だから人・組織を動かす際に中小企業特有の共通問題が発生するわけです。

 

お手本は小学校のクラス運営

中小企業のリーダーはマネジメントの初心者からチャレンジしていきます。経営者に『○○君、君も明日から主任だ。リーダーシップ・マネジメントを発揮しなさい』と一方的宣言をされます。しかし、マネジメント方法を知らないから、プレイヤーの延長線上の考え方で、もがきながら実践しています。しかも、チームを動かす事に関してチームメンバーはリーダーに依存して、無関心状態。

 

プレイングマネジメント体制のお手本は小学校のクラス運営です。学級委員長がいて、副委員長が中心となり、黒板消し係、給食当番、保健委員、飼育係、放送委員等がいてクラス全員が役割を担って、全員でクラスを動かしていく姿がプレイングマネジメントスタイルの理想の姿です。

 

多くの会社が勘違いしているのは、役職者でないと『リーダーシップ・マネジメントをやってはイケナイ』と勝手に決め付けている事です。

 

チームにとってリーダーシップ・マネジメントの目的が達成されるなら、誰がやってもよいのではないでしょうか?しかも、チームリーダーは『プレイングマネジャーの兼任主義でマネジャー業務100%の人』は誰もいません。ならば、最初から発想を変え、プレイングマネジャーだけがチームを動かすのではなく、全員でチームを動かすプレイングマネジメント体制の考え方が自然だと思います。

 

チームでチームを動かす事をワークする

チームワークとは、チームを構成する人たちがそれぞれ自分の行動を起こしながらも、チームとして統制のとれたワークをとっていることをいいます。皆が同じ方向に向かって協力し合いながら動いている状態。個人プレイは、あくまで自分1人で物事をすることですから、みんなと協力して共同で作業を行うということはありません。

 

チームワークが大切なのは、そこにいる人たちの人間関係を単に良くするためではなく、個人の能力や力では達成が困難なことでも、チームならやり遂げられる事にあります。仕事をするうえで必要な人数が集まったから、チームワームを発揮できるわけではない。そもそもチームとはメンバー全員がチームの一員である当事者意識を持つ事から始まり、共通の目的・目標を持って、それを達成させるプロセスを共有する集合体です。

 

チームワークを強化していくには、共同で何かをする前にチームづくり(ルール・基準作り、スキルアップ、目標設定等)を行なう必要性があり、そのポイントは4点あります。

  • 目的・目標の共有(目的、目標、方法を理解している)
  • 参加意欲を高める(自分のやるべき事を理解している)
  • スキルアップ(自分のやるべき仕事の力量アップ)
  • 協調性(チームのルールを知り・守る)

 

チームがチームとして機能するためには満たすべき条件があります。東京大学に入るより難しい天才集団のプロ野球の選手でさえ、練習で反復したプレーしか試合ではやりません。中小企業の現場では、チームワークの初動状態=チームづくりが出来ていないのに、ムリにメンバーをスタートラインに立たせようとするリーダーが多い。チームワークとはチームでワークをする事を準備して、全員でチームを動かす事です。

 

動かす技術を身につける

チームリーダーは動かす技術を身につけることです。動かすとは人を動かし、チームを動かす事です。プレイングマネジャーであるチームリーダーの最大の仕事は『動かす技術』に集約できます。

 

大企業は組織が人を動かすが、中小企業は人が組織を動かしていきます。動かすとは人を動かし、チームを動かす事であり、その為にチームに必要な仕組みをつくり、習慣化させて、動かしていく事です。組織運営の最大のポイントはパターン化することです。組織運営とは、『チームの目的・目標達成に向け、リーダーがメンバーの力を活用して業績を上げる』事です。

 

組織には、人が動きやすくする為に共通の価値観が必要になり、それが乏しい集団は烏合の衆に陥りやすい。だから、リーダーは組織に必要な共通の価値観を常に訴え続け、組織・メンバーに共通の価値観を意識させる事が必要となります。パターン化することでメンバーが行動しやすくなります。行動し、継続すれば習慣化になり、一つ一つのやるべき事の習熟度が増し、精度が上がります。やりなさい、動きなさいとよく耳にします。

 

しかし、上手くいかない理由にやり方がわからない、やり方のバラバラさがあります。これを払拭しないとプレイングマネジャーだけで組織を動かすようになり、成果はでにくい。つまり、全員でチームを動かすプレイングマネジメント体制のスタートラインに立てません。チームに必要な仕組みをつくり、習慣化させて、動かしていく事です。

 

チームの共通語をつくる目的・目標の共有化

最初から強いチームはありません。人の動きをコントロールして、組織を強くしていく為には、チーム内での共通語づくりが必要です。目的・目標の共有化とは、チームの方針・目標を全員が理解し、意識する事です。『今月の目標はこれだ』と壁に貼られている会社がよくあります。貼っているからメンバー全員が見ているわけでもありません。時には見るのではなく、眺めているケースもあります。

 

共有化していく為には、『言い続け、理解しているか』を確認しなければなりません。業績の良いチームは、そのチームでしか使わない固有の共通語が多くあります。『今月の目標は幾らと問われたら、幾らです』と答えられる。これはそのチームの共通語です。共通語をいかに多く作るか、これが最初の鍵になります。ぜひ、これにチャレンジをしていただきたい。

 

中小企業専門経営コンサルタント
小池 浩二 氏

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